オリンピック開催までのカウントダウンが始まったあの年僕は築地にいた。
目の前は国立がんセンターだ。
2020年、年が明けたばかりだったが治療に来ている患者らしき人やその家族の方、そして海外から旅行を楽しむ人達でごった返していた。
僕はその人の流れを目で追い、夢中でシャッターを切った。
それから僅か数日後にコロナウィルスというものを知ることになるわけだが、どこか他人事のような感じでさほど気にせず生活をしていた。
2月の半ばぐらいだろうか。
横浜の豪華客船内で乗客がコロナに感染したと毎日のようにテレビから映像が流れた。
3月の終わり桜が咲いた後に雪が降った。
そして志村けんさんが亡くなりそして失望と絶望が僕を襲い、そしてこの曲が生まれた。