猫型ロボット「ドラえもん」は、ロボ界のアイコンだ。
愛くるしいルックス、猫のくせにどら焼きに目がなく、生まれつき無気力症候群を患う少年のび太を幾度となく救い、世界までをも救うスーパーレジェンドロボット。
コロナ渦の中で突如生まれた東京ロボ。
見た目は人間、真面目で勤勉でケチのつけようがない人間性だ。
コロナ感染拡大中のニュースが流れた翌日も、来る日も来る日も満員電車に乗り人口密集地を目指す。
電車の中はおしくらまんじゅうだ。ポマードを塗りまくった男の頭がマスク越しにぶつかる。
咳する者がいればまわりが殺気付く。
皆ロボット。
政府の感染症対策に疑問を持ちつつも、自然とオートフォーメーション化されたマシンの如く同じ思想、行動、言動で一日を終える。
このロボの楽しみはディナーだ。
お気に入りの店は入り口にアルコール消毒がある店。
店内が混み合っていてもさほど気にしない。
大声で騒ぎ喋り、ガソリンという名のアルコールにまみれアクリル板業者の売上げをつまみに。
帰りの満員電車ではしっかりマスクを着用。
誰かが咳をすれば睨みつけ、殺人が許される世界ならば今すぐに首根っこを掴み窓から投げ飛ばす。
そんな事を思いながらスマホのニュースをチェックし感染者が増えたことに歓喜する。
人型ロボットはいずれ暴走する。
エヴァンゲリオン風に言うならば暴走モードだ。
コロナより怖いのは人間だ。
あなたの隣に人型ロボットがいるかもしれない。