音楽旅行

日々の出来事

虎視眈々と世界進出を狙う 洗濯バサミアーティストA 

横浜の風を受けてみなとみらい地区から山下公園へ海を眺めながらひた歩く。振り向けば赤レンガ倉庫、大きな観覧車クロックワーク、眩し気な太陽に照らされ逞しくそびえ立っている。山下公園のベンチに年配の夫婦、若者のカップル、そして洗濯バサミアーティストA。彼の名前は千卓夫。名前の如く洗濯とは切っても切れない関係だとか。日本一の洗濯バサミアーティストの傍ら彼は音楽活動も。オリジナリティ溢れるスイングしたジャジー風の曲調はなかなか書けるものじゃない。

横浜山下公園に来た理由は彼に会うためだ。「私の書いた曲をスイングさせて欲しい」この事を伝えにきたのだ。リズムというものは面白い変わりにとても難しい。ジャズを好んで日々聴いたり演奏していれば自然とプレイそのものに反映される。しかし私が何度もスイングビートに挑戦し曲を書いてもいまいちスイングしないのだ。そこで彼に白刃の矢をたてた。きっちりしたジャズでなくてもいいがジャズの匂いのする軽快なものにして欲しいとアレンジを頼んだ。しかめっ面にくわえタバコ。しゃがれた声でオウと言ってくれた。

やってもらえると安堵の表情を浮かべた私と短くなったタバコをぎりぎりまでふかす洗濯バサミアーティストA。目の前の氷川丸を見つめ出てきたメロディは氷川きよしのズンドコ節。二人で奏でるハーモニー、ちらっと脳裏に浮かぶ郵便ハガキ。そう氷川丸は郵便物を異国の地に運ぶ船だってことを。横浜は歴史のある街。「赤いくつを履いてた女の子」悲しい歌であるが当時はそんな事が頻繁に起きていたのだろう。それから洗濯バサミアーティストAが愛してやまないジャズ喫茶「ちぐさ」で乾杯した。

こうして生まれた千卓夫とのコラボレーション作品。「洗濯バサミアーティストA」新たな時代と突出したアーティスト不足のミュージックシーンに風穴を開けた。いや、正確に言うと全然開いていない。横浜=洗濯バサミアーティストA、こうなるまで私は何度も彼とコラボレーションをしたい。野毛から黄金町、昭和の香り漂うこの街でいつかライブをやりたい。大岡川の桜咲く樹の下で京浜急行の走る姿を眺めながら叫んでみたいです。皆さんと大きな声で叫び会える日を楽しみにしています。

洗濯バサミアーティストA (feat. flowers flash orchestra)

洗濯バサミアーティストA (feat. flowers flash orchestra)

  • 洗濯バサミアーティストA
  • ジャズ
  • ¥255